「秋恋」
あつい。おなかすいた。ふらふらする。
おかあさん、みんな、どこ?
そんな時に出会ったのが、あのお姉さんでした。
とっても綺麗なお姉さんでした。
お姉さんを前に私はどうしたらいいか分からなかったので、とりあえず様子を見ることにしました。お姉さんは私をしばらくじっと見つめた後、どこかへ行ってしまいました。
ああ、どうしよう。
もしかしたら助けてもらえたかもしれないのに。
素敵なお姉さんはどこかに行ってしまった。
食べ物も寝る場所もない。
せめて水があれば……あれを飲もうかしら。
泥々だけれど、何も飲まないよりは───。
あれ、さっきのお姉さん。どうしたのかしら。
何かいい匂いのするものを持って私の方に歩いてくる。
これをあげるから食べて、と私にそれをくれた。
私はあまりにもお腹が空いていたから貰ったものを食べた。
その間にお姉さんはいなくなってしまった。
お姉さん、どこ?ひとりぼっちは怖いの。
貰ったものの香りを追っているうちに、私はつい気を抜いてしまった。
私よりもずっとずっと大きな生き物が近づいてくる。
怖くて怖くて、急いで逃げた。
けれどあっという間に追いつかれて、ついに捕まってしまった。
そのき生き物の住処に連れて行かれる。
食べられちゃう!誰か助けて!
たすけて。
+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+ +.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+
はぁ、よかった。まさかアキがちっちゃな子猫にご飯をあげるなんて。
前から時々あの子を見かけて心配だったけれど、アキのおかげでついに保護できた。
「秋、ありがとうね。」「にゃー」
さっきまで怖がっていたのに、ミルクを飲んだらすぐに寝ちゃった。ほんの少し前まで野生だったとは思えないね、この子猫ちゃん。意外と大胆な子なのかも。
「そうねー、秋。この子の名前、どうしようかな?」「にゃー」
アキに聞いても分かんないかー。
んー、私はあの子猫ちゃんの真っ白な体と青い目に片想いしていたから、「恋」ちゃん、なんてどうかなー?
アキも秋に出会ったから名前も「秋」だから。
……安直過ぎかな?
あ、名前の読み方「こい」か「れん」どっちにしよう?
「アキ」にあわせて訓読みで「コイ」にしようかな?
とにかく、これからよろしくね、恋ちゃん!「ぷみぃ……」
9/22/2024, 10:48:33 AM