すい

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夜が明けた。

あなたのいない朝がやってきた。


私はあなたより長年恋焦がれてきた、
心の片隅に居座り続けたあの人からの誘いを優先した。

私のことを誰より理解して好きでいてくれるあなたと、
私を何度も捨てた私の世界の全てだったあの人。

汚い欲だった、愚かな期待だった。

そんなもののために、私はあなたを裏切ってしまった。


私はまた、大切なものを失った。


"えらいね"って"すごいよ"って。

そうやってあなただけはいつも、
私の無謀な夢も先の見えない未来も応援してくれたのに。

どん底にいる私に手を差し伸べて、
望む選択肢も与えてくれて。

そうやって淡白な態度の裏であなたはいつだって、
私を肯定して味方でいてくれたのに。
 

私の不幸に心を痛めて私のために泣いてくれた人を、
一緒に幸せになろうと誓った人を、

こんなにも簡単に傷つけてしまえた。


好きだったのに。

あなたとの幸せな未来なら簡単に想像できるくらい、
何年話していてもそばにいたいと思えるくらい、

本当に好きだったの。


あなたからの当たり前の愛、当たり前にやってくる明日。

一緒に生きていく未来も当然、やってくるんだと思ってた。


ごめんね、私は泣くべきじゃないね。

弱く愚かでずるい私は、
こうやって失うことでしか気づけなかった。


夜が明けた。

生きていくための希望を失ったのだと、後悔した。



                   ___夜が明けた

4/29/2025, 1:10:51 PM