「性別って実はグラデーションなんだよ」なんて話をどこかで目にしたとか何だとか。
ある意味ちょっとセンシティブ。
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【君と僕】
いつから『僕』という一人称を使わなくなったのだったか。今でも頭の中では、一番しっくりくるのは『僕』だと思っているけど、男になりたいわけでもない『私』には、それは世間的に許されないもので、いつの間にか矯正されていた。
昔から着飾ることには興味を持てない。アイドル? 俳優? ごめん、区別がつかないし関心もない。化粧なんてしなくて良いならしたくない。髪型は寝癖を楽に誤魔化せるならそれが一番良い。女性向けと言われるものの多くは僕には合わない。
いっそスーツを着てみたかった。ネクタイを締めてみたかった。ピカピカの革靴もパンプスじゃないやつを……でも、そんなものを望めば『性自認が男性なんだ』と思われかねない。違うのに。
そうじゃない、そうじゃないんだ。女らしくしていることが好きじゃないからって、男らしさが欲しいわけじゃない。男装に興味があるのと男になりたいのは違う。
僕の性別はたぶん『僕』なのだ。
でもその『枠に嵌まらない在り方』をわかってもらうのはなかなか難しいと感じている。
ただ君はそんな僕を受け入れてくれた。そのままでいいと言ってくれた。君の隣では自然体で居られる。僕は僕のまま、楽に息ができる。
流石に一人称は、うっかり外で『僕』と口に出すのはまずいから、話す時は『私』をキープしているけど。
君と僕は戸籍上同性だ。でも、この上ないパートナーだ。いつまで一緒に居られるだろう。できることなら添い遂げたい。ああ、法律が変わればいいのに。
(やだなぁ。フィクションだよ?)
4/11/2025, 1:37:26 PM