sudachi

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子猫みたいに小さくてふわふわで弱くて守りたくて。
どこにも行かないように柵で囲んで可愛がった。
幸福な日々だった。

でもいつしか大人になったきみはここを出て行こうとする。

扉を開けてさぁどうぞ、とは言えないぼくを見透かして、頭を撫でながらきみは笑う。

いつのまにこんなに大きくなったんだろう。
いつのまにきみしか見えなくなっていたんだろう。
ずっとずっと子猫でいてくれれば良かったのに。

愛してるよの言葉をきみの背中に届かないよう呟いた。


▷子猫

11/15/2023, 2:22:21 PM