あの日はとても寒い日だった。
立冬だったかな。
その年は例年よりも夏が長い気がして、突然寒くなったんだ。
だから、気が付かなかったのかもしれない。
君が、あの場所で、1人で泣いていたことに。
そのことを君に謝ろうと思って、
あわよくば大切なことを伝えようと思って、
焦っていたんだろう。僕はマヌケだ。本当に。
こんなんじゃまた君を待たせてしまうじゃないか。
ずっと待ってくれていたのに。
もう僕のことは忘れてくれ。
君の幸せが僕の幸せだから。
それでいいはずなのに。よかったはずなのに。
死ぬ間際、僕の脳裏には君の笑顔が浮かんだ。
11/9/2024, 2:07:32 PM