『心だけ、逃避行のち晴れでしょう』
雨の音にまぎれて そっと歩き出した
誰にも気づかれないように
心だけ 傘もささずに
知らない空へ 逃げ出した
言い訳も 目的地もないまま
ただ、少しだけ 呼吸がしたかった
笑顔の仮面が重すぎて
「大丈夫」の言葉が嘘に見えてきたから
置き去りにした日々は
窓辺に濡れたままの洗濯物みたいに
未練をまとって揺れていたけど
それでも、背を向けて歩いた
そして、気づいた
逃げた先に 雨ばかりじゃないことに
雲の切れ間に 差し込む光が
名前もなく微笑んでいたことに
心だけ、逃避行のち晴れでしょう
予報士なんていなくても
自分の空は 自分で晴らせる
涙が乾く頃には
少しだけ前を向いてる
そんな自分を 誰より信じてみたいから
7/12/2025, 5:22:09 AM