※またいつか
また、いつか。
そんな曖昧な約束が果たされることは無い。余程の激運でも持ち合わせていなければ。
飛び交う戦闘機と止まぬ爆撃。最早、自国を護る為というより敵国戦闘機と共に自国を破壊していた。そしてそんな状態に慣れてしまっている。
国の人攫いと言って過言でない徴兵は、もう何度目だろう。年寄りと子供が集落の要になるほど男女問わず連れ去られた。
自ら志願した息子の笑顔が脳裏に映る。
「またいつかお会いしましょう!」
約束が果たされることを信じて、私は今日も防空壕へ逃げ込むのだ。
7/22/2025, 11:27:32 PM