今日、このあと雨が降ったらもう彼女と会うのを終わりにしよう。
彼女に会わない理由をひとつ、ふたつと積み上げていくたびに心が擦り切れそうになる。
結局、雨は降らなくて、私は今日も彼女と会う。
ふたりっきりの秘密基地で今日も彼女は微笑んでいる。
もう会わない、と彼女に一言告げれば終わるのに。口に出そうとすればするほど口の中が乾いて、言葉にならない。
バカな私。
彼女はスパイで、私を情報源としか見ていないのに。貴重な情報源という目でしか見ていないと私が気づいていると感づいていながら、彼女は今日も私に会いに来る。
愚かな私。
そんな彼女に恋をしている私は本当に馬鹿みたいだ。
7/16/2024, 9:52:52 AM