NoName2

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どうやら神様は透明な羽根を持ってるみたい
よーく見ると、落ちてるのが分かる
まるで、うんと、なんだろう、水グミみたい
そんか神様を吊って、撃ち落とした
今はもう、神々しい液体が羽根にはかかってる
神様の液体、人間でいう血液
ようやく、ようやく、終わった
みんな、見て!
みんなを悪意と気まぐれで殺した神様を、○○したよ!
「こ、この、」
もう満足!どんな神罰が与えられるかな?
一生彷徨うのかな?
言葉が喋れなくなるのかな?
大地を抱えるのかな?
ずっと内臓を食べられるのかな?
飢餓に苦しむのかな?
どんなのでも、受け入れるよ
だって、幸福感に満たされてるんだから!
「こんな、ことして…」
他の神様はこの神様を助けない、知らんぷり
残酷だね、可哀想だね、仕方ないね
最後の一撃、救済してあげるよ
不思議と神様を撃ち抜くのに抵抗感は消えていた
穴の空いた神様は段々消えていく
透明な羽根に液体を垂らしたまま…

あの人間へ送る神罰はない、ちょうど迷惑していた
ただ便宜上、罰をあげないといけない
だから透明な羽根をくれてやった
彼奴は空を飛べる事を知らずに、地を歩き続けるのだ


「これで話は終わり。何故私達は少しだけ空を飛べるのか?それは透明な羽根があるからだ、使わずに段々衰弱したから、少ししか飛べない。なんてね☆さようなら、こんな世界!」
間際に長々と架空の神話を語った親友は、柵の奥で下に飛んで行った
掴もうとしたが、手は空をきる
一瞬だけ、そいつの背中に透明な羽根を見た
夜空に染まった羽根は、嫌悪感を催すほどに綺麗だった
親友を被虐から助けられなかった惨めな自分には、似合わないほど
…透明な羽根は赤く染まった

11/8/2025, 5:25:07 PM