「ちょっと、忘れてるわよ!」
お嬢様の声と共に宙に浮かぶ弁当箱
慌てながらそれをキャッチし ほっとため息をついた
「飯作ったやつの投げ方じゃねぇ」
「しょうがないでしょ?もう出撃なんだし」
お嬢様は白くてフリフリのエプロンを脱ぎながら、時計を指差す。
「まっずい!それじゃ行ってくるわ!」
司令室へ向かおうと扉に向かおうとすると
「待って!」
「今度はなんだよ」
呆れながら振り向くと
お嬢様は俺の手を握っていた
頭に?が5個ぐらい浮かぶが、すぐに納得する。
「こうしないと、不安になるんですもの。」
「…わかってるよ 柚みたいにならないかってことだろ」
お嬢様はこくりと頷く
「………」
「絶対そうはならない。なんて言わない
ただ、ならないように最善を尽くすし、生きるのを諦めないって誓うよ。」
お嬢様はうつむいて何も言わないままだ
「流石に行かないと、司令官様にどやされる。」
握ってくれたその手を優しくほどく
「いってきます」
「…いってらっしゃい」
お嬢様は泣きそうな声でそう言ってくれた
「さて、また手を繋げるように頑張りますか。」
弁当箱を片手に持ち、司令室に早歩きで向かった。
お題『手を繋いで』×『昼飯』
3/20/2025, 11:24:10 AM