蒼ノ歌

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『Kiss』

しっかり記憶に残っている口付けは親戚の結婚式。
笑窪が可愛い新婦さんとクールに見える新郎さん。
新婦さんが美しく屈む。
新郎さんが、木漏れ日の様な優しい色合いのヴェールを少しぎこちなく後ろへと下ろしてあげる。
新婦さんの笑窪がまた見えた。
その笑窪につられてか、新郎さんも自然と笑っている様だった。
2人は恥ずかしそうに正面に向き直る。
少し俯いた後、2人は...。
「あぁ、これが...」
これが、『触れるだけのキス』なのだと初めて解った。
今までマンガや小説でしか「みた」ことがないそれは、どんな字面よりも可憐であった。

2/5/2024, 9:31:02 AM