「大昔にさあ、僕はこの世界を創ったわけ。
だけど一回壊されちゃってさ。壊した奴に途方もない時間をかけて創り直させたんだ。
そしたら世界がちょっと不安定になってね。これまではどうにかこうにか出来たんだけど、さすがにもう無理になっちゃってね。
ひじょーに心苦しいけどとても強い力を持っている命を使ってこの世界の柱として据えなきゃいけなかったんだ」
「……それで選ばれたのが私というわけか」
「そうなっちゃうね。でも、こんな体験生きてちゃ絶対に出来なかったよ?
この場所で創造神と二人で語り合うなんてさ!
あはっ、とっても得難い体験でしょ?
だから選ばれたのも悪くなかったでしょ〜?」
「……別に、こんな体験どうでもいいが」
「うわ辛辣〜。まあその答えが人間らしいけどね。
自分勝手で他者のこと全く考えないで迷惑かけてばっかり。そのくせ自分が同じことされたらやってたことを棚に上げて怒る……
全くもう、人間ってばなんて面白いんだろうね!
見ていて本っ当に飽きないよ!」
「……お前みたいなのが神だから、人間もそうなるのではないか?」
「蛙の子は蛙ってことかい? あはははっ! 凄いこと言うねえ!
ま、いいけどね。そう思ってても。たぶん嘘じゃないかもだし。
しかしまあ何とか記憶の修正が間に合って良かったよ。あのまま思い出されてたらまた誰かが芋づる式に思い出すところだったからね。あー、危なかった」
「なぜ?」
「だってしょうがないじゃん。いない人を覚えててもさ。
思い出した人が近くにいたら触発されてほんの小さな違和感が忘れられずに思い出そうと頑張っちゃうじゃん。今回の彼女や君のお友達みたいにさ。
もういないのに、もう会えないのに思い出だけ残ってるなんてとても辛いし最悪じゃん?
だから記憶を改変するんだ。僕なりのアフターケアってやつだよ。僕ってばちょー優し〜!」
「……私には理解できない考えだ」
「ふーん? そういうものか」
2/11/2026, 2:06:28 PM