―神様が舞い降りてきて、こう言った。―
ふと目が覚めると、一面が真っ白の空間にいた
戸惑っていると、神様が舞い降りてきて、
こう言った。
「私はこの世界の神だ。
この世を創り、この世のバランスを整えるのが
普段の仕事なのだが、今日は君に聞きたいことが
あったので、ここに呼ばせてもらった」
と
神様の自己紹介と状況説明が済むと、
神様は早速というふうに、本題に移った
「近年では軽い気持ちで罪を犯す者が
非常に多くなってきており、
我々にとっても対処が難しく、
どうしたものかと途方に暮れている毎日だ
そこで、悪人に天罰を下す際の基準を
これまでよりも低くしようかと考えているのだが、
どうだろう。
一人間の意見として、君の見解も
聞かせてはくれぬか」
神様が喋り終わるとその場に沈黙が流れた
神を名乗るおじいさんと1体1の状況で
一体何を話せば良いと言うのだろうか
しかし、僕は神様の無言と期待の眼差しに負け、
考えをまとめると、口を開いた
「あのひとつ聞かせてください
えっと、その罪って、例えばどんなことですか」
「いくつか具体的な例をあげるなら、
罪のない命を何も考えずに、ときには無意識的に
奪ったり、暇つぶし程度の感覚で人の命を削り取り、
仕舞いには間接的に死へ追いやったりなどだろう」
「えっと…よくわかんないですけど、
いくら軽い気持ちだったとしても、
悪いことは悪い…ですよね」
「そうだね」
「天罰…が何かは知らないですけど、
罪を犯す人を何もせずに許してしまえば、
その人も罪を繰り返してしまうんじゃないですか」
「そうかそうか…
ふむ、君の意見、確かに聞かせてもらった」
その数日後、あれは夢だったのかなと思いながら
目覚めると、そこには地獄と化した世界があった
人間という人間が神からの天罰を食らっていた
僕もその1人で、痛みや苦しみが長く続き、
死ぬ間際に見たのは、気づいたときには
もう滅びていた地球だった
そうかそうか…もう滅びてしまったか…
地球を確立させてから約46億年
まだまだ始まったばかりだったというのに
でも、最近は地球の星エネルギーも
不足してきていた…どちらにしよ、
長くてあと1000年弱の星だったろう
まぁ仕方あるまい
今度はどんな星を作ろうか…
あぁ、そういえば地球で生き残った者が
二人だけいたはずだ…確か内訳はちょうど
オスとメスが1人ずつ…その2人を新しい星を
創って住まわせるか?
どうせなら、地球に居た人間以外の生物全員を
その星に集めて、その人間二人の様子を
観察してみるとするのはどうだろう
記憶はどうするべきか…記憶を残しておけば
地球を復活させようと試みるかもしれんが…
記憶を消し去っておけばその時点で言葉や
地球の歴史も消滅…人間はまたヒトとして
野生の人生を送ることになるだろう…
その場合、他の生物たちとの共生を測れるだろうか
それと、二人だけとなると、子孫を残せるかどうか…
と、一人で呟きながら、神様は天界へと
帰っていきました
7/28/2023, 2:31:18 PM