惨めジメジメシニフィエ

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いつもは朝に目が覚めるのだが、今日は昼まで寝てしまっていたようだ。
隣で一緒に寝ていたスマホを手に取り時間を確認する。
14:50分。もうすぐ15時を迎えるようだ。
別に朝を睡眠に献上したからといって問題は無いのだが気持ちが妙に焦ってしまう。
太陽は変わらずにこやかに光を発しているというのにそれを遮る固まった水蒸気の群れ。
私のルーティンを壊さないでくれ。
天を見上げて言い放つ。見えるのは空ではなく天井。
……我に返り恥ずかしくなってしまった。
いつもなら起きたらすぐにシャワーを浴びてご飯を食べるのだが、なんだかだるくてぼーっとスマホを触る。
外は昼だというのに薄暗くざあ、ざあと音が鳴っている。
ぐ〜。
家の中では私がだらしない体勢でお腹を鳴らしていた。
眼を擦りながら身体を起こし、なにがあったか思い出しながら冷蔵庫まで行く。外はさっきより音が落ち着いていた。
キッチンに着き冷蔵庫を開ける。マヨネーズやケチャップといった調味料と炭酸割り用の炭酸水と麦茶だけで食べれそうなものなど無かった。そういえば昨日は酒のつまみしか買ってこなかったのだった。
こんな天気の悪い日に出かけないといけないのかと陰鬱になりながら何を食べるか考える。キッチンのコンロには空き缶が4個置かれていた。後で捨てないとな。
外の音を思い出す。あの音を聞くといつもチヂミが食べたくなるんだよな。……ああもうチヂミの口になってしまった。チヂミを美味しそうに食べている姿を想像してまたお腹を鳴らした。
居室に戻ると電気をつけていないのに明るかった。
鳥の鳴き声が微かに聞こえる。ベランダの窓を開けて空を覗いた。そこには私が覗くのと同じように太陽が雲の隙間から姿を出していた。
いつの間にか雨が上がっていた。
今更晴れても遅いんだよなと悪態を突きながら私は顔を崩した。


6/1/2025, 7:14:34 PM