七シ

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「冬の青春。」


私は別に季節の好き嫌いなんかはない。

だから冬も好きでもないし、嫌いでもない。普通なのだ。


「あれ?ねえ、話聞いてる!?
もう冬ってほんと嫌だよね!」
けど私の親友は冬が大の嫌いらしい。

「…なんで嫌いなの?」

「えっ、何でか?逆に嫌いじゃないの??」
親友は驚いた顔をしていた。
目がもうガン開き……それと正直私も驚いた。
親友の顔でね。

「別に普通だよ私は。それで?何で嫌い?」

好き嫌いのない私にとっては謎で、凄く気になっていた。
私がそう言って親友は、

「あのね!その理由は……なんと3つ!!」

ここでそんだけかよと思ったのは親友には言わないでおいた。

「1つ目!とにかく乾燥するの!唇とか、ほっぺとか顎!!JKにとって盛れは大事だもん!」

ここは共感出来たんだよね。でもその後2つ共が本当に分からなかった。

「2つ目!朝まじ寒すぎて起きれないの…」

「あ、だから今日も遅刻したんだ」

「あ〜あ〜聞こえない聞こえない!!」

私の言葉を聞いた途端、親友は自分の耳に手を当て、目を泳がした。

ちょっと面白くて私は笑った。

「えっと、最後!3つ目!…雰囲気が怖いんだよね」

特にこの3つ目が訳分からなかった。

「怖いの!暗いし静かだし寒いし不気味なの!」

私は分からない、冬が怖いなんて感じたこと無いし。

「だから今も怖いんだよ!まだ2人だから良いけどさ…後もう少しで道別々になっちゃう!嫌だ!無理!!」
親友が叫んで言った。

「それ弱虫なだけじゃんか。」
正論を言い放つ私に親友は絶望な顔をしていた。

そんなくだらない会話をしていると私達がもう別々の道で帰らなきゃいけない時が来てしまった。

「無理無理無理。あー!待って行かないで!」

「ああ、足が勝手に。バイバーイ。」
棒読みで私は言った。

親友も諦めて自分の帰る道へ行った。

のだけど、その後電話が鳴ったのが分かり、出てみると

「もしもし?」

『これで怖くないね!』
と、さっきまで聞いていた声が電話先に聞こえた。
ついさっきまで一緒に帰っていた人だった。

「そこまでして怖さを乗り越えたいのかよ」

『うん!!怖いの嫌だしね〜、…あ、電話切らないでね!?切ったら一生恨むから!』
その言葉を聞いて、親友の焦った顔が想像出来た。

「あーもう仕方ないな。家着いたら切ってね?」

『はーい』
と、次は喜んでいる顔を想像した。

声だけで表情が分かっちゃうなんてどんくらい分かりやすい人なんだと思った。あるいは私の勘がいいのか?
まあ良い。

それより、こうして親友と電話しながら帰れるのは冬だけだ。

『やっぱり冬って寒いね!手袋もつけた方が良いのかな…?』

「えー、そんな寒いか?」

『えっ!?寒いよお!!』

と、どうでも良い話をダラダラと続ける。


私はこの時間をほんの少し、楽しみにしている。


いや、さっきの言葉は無かったことにして、













めっちゃ楽しみにしてる。
勿論、親友にはナイショ 絶対に。

11/17/2025, 11:27:23 AM