Rutu

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私は先輩じゃなくて、幼馴染くんじゃなくていい。それでいいんだ。

先輩を見なくなって時間が経った。私の記憶からも先輩との毎日の練習が消えていく。毎日が切なくて、毎日が虚しくて。それでいい。私は先輩との思い出を忘れる他ないんだ。ずっと先輩の事を考えてるなんて、諦めたなんて言えないじゃない?
あぁ、此処で先輩のために…って練習したんだ。
でも、もう先輩のためになんて言葉も使うことはないんだ。
あ、先輩が此処で笑ってたなぁ。
もう笑い声も聞くこともないか。
ぬいぐるみの背中。チャックを開けて中に入っている先輩とお揃いにって作ったキーホルダー。先輩の名前をつけていたこのぬいぐるみ。

ー気持ち悪いなー


いやぁ、幼馴染くんの事を考えなくなってからスッキリした。やっぱり、これで良かった…のかな。好きだった。そ、そんな事…ないよ。それでいいんだ。私が君のことを考えることなんて…よっぽど君のトリコになってたんだな。君の努力が無駄になってないって伝えたかったんだけど。思わせぶり、誘ってる…色んなことを考えたけど、結果的に私のことも配慮した落とし方だった。まぁでも、そんな日々、楽しかった。ありがとう。
と言いながら握りしめてるペアルックのキーホルダー。
ー説得力なんてないんだよなー

4/4/2023, 11:43:52 AM