「夢と現実(創作)」
春の花粉症がやっと治まったところで、秋の花粉症がくる。この時期は乾燥もしていてタチが悪い。風邪なのか、アレルギーなのか分からない鼻水鼻づまり、くしゃみの連続だった。
あまりにも酷すぎたから耳鼻科に行って、薬を飲んで、1週間を過ぎた頃だった。
朝起きるのが辛い。起きても疲れが取れない。下を向くと瞼が閉じていく。それでも仕事には行かないといけない…なんなんだろう、これは…。
自分の体なのに自分ではないような感覚に襲われていた。
その日の夜、眠くて仕方なかったので早めに寝る事にした。
あれ?体が動かない…あれ?
なんか重い…重い…
ぼんやりと白い着物を着た前髪の長い女性が私の上に乗っている。
怖い、怖い、怖い。
その人が少しづつ私に近づいてきて、私の中に入ろうとしている。
いやーーーー、怖い、怖い怖い!
どいてちょうだい!、私の体に入ったって、いい事ないわ!!!!
いや、あなたなんて怖くないんだから!!早くどいて!!!!!
「ぷふぁ!!!」
変な声と空気が、私の体から抜けた感じがして、やっと現実に戻ってこれた…心臓が走った後みたいに、脈打っていた。
あれは、夢なの?現実なの?
胸に手を当てながら考えた。
鼻炎の薬は眠くなる成分が入っていると注意書きに書いてあったのを思い出した。
あまりの怖さに、“薬が効き過ぎている”という事にして、処方を変えてもらおうと思った。
12/4/2024, 11:10:15 PM