香水人が行き交う街中で、思わず振り返ってしまったんだ。ふわり、と香ったそれは、君のはずがないのに、懐かしさで涙が出そうになって。まだ忘れられなくて、君の笑顔も、君との約束も、頭の隅にずっと居座っているんだ。「君の、笑顔が好きだよ」そう言ってくれた君が心配しないように、ぐっとこらえて笑みを浮かべる。まだそちらへ行くことはできないから、だから待っていて。いつか、必ず君の元へと帰るから。だって、死はすべての人に平等に与えられているのだから。
8/30/2023, 1:52:14 PM