ある日突然、今までの日常からまるでつまみ出されるように、当たり前と思っていた日々が送れなくなったとしたら、あなたならどうするだろうか?
どうにかして今までの日常を取戻すべく躍起になる?
自分の何がいけなかったのか、どこに原因があったのかを懸命に反省しようとする?
やがて、元には戻れないという現実に直面し、これまで日常と思っていたことこそが幻ではなかったのかとさえ思うようになってしまうかも知れない
自分の人生は自分自身でコントロールしていると愚かな錯覚の中で思い上がって生きていると、つい
人の営みは、自分ではどうしようもない運命の流れという大きな激流の中で、その波に器用に流されているだけに過ぎなかったことに改めて気付かされる
それでも尚、
もしタイムマシンがあったなら、そんな事実に直面する前の自分に戻って、もう一度そこからやり直してみたいなどと往生際の悪いことを思ってしまうものだろう
そして、そんな時に一番欲しいものは?と問われたら、「いつもの日常のバックアップ」と答えてしまいそうだ
例えこれまでの日々が幻の如く形を変えてしまったとしても、その中で積み上げた記憶は自分の心の中に確かな記憶として残り続ける
やがて、歳を重ねる中でその記憶が薄れ始めたら、
その時はまたタイムマシンに乗って記憶のバックアップを拾い集めに行こう
『タイムマシンがあったなら』
『一番欲しいもの』
7/23/2024, 2:01:12 AM