#16「クリスマスのプレゼント」
雪の降るホワイトクリスマス。
街を歩く隣の君の温度の手の中で、なぜか緊張気味の君に、雪が溶けちゃいそう。
夜景の見える橋に来たとき、君は「ちょっと待って。」って。コートのポケットから小さな箱を取り出して、私の前でその箱を開いた。
その中で輝く小さな指輪。
リングの細やかな金色の装飾に、真ん中で煌めくダイヤモンド。
最近、彼がお金を貯めている理由が分かった。
でも、ごめんね──。
私がこの前ダイヤモンドが綺麗だって言ったから、私がそんなこと言ったから、無理させちゃったのかな。
君の言葉の後、私は笑って、彼に抱きついた。
「ありがとう、大好き!」
込み上げるこの上ない幸せの中で、その指輪は街の灯りよりもずっと輝いていた。
お題:ありがとう、ごめんね
12/8/2023, 1:05:47 PM