【お題:もしもタイムマシンがあったなら】
「もし、タイムマシンがあって使えたらなにしたい?」
ふと、隣の席の藤矢君がそう質問してきた。
「どうしたの?急にそんな質問して」
「いやぁ、昨日見たテレビ番組でタイムマシンの話しててさ、桜さんならどうするのかなって」
「私がもし使えたら?う~んそうだね~...う~ん」
「そんな真剣に考えなくていいんだよ?」
「もし使えたら、あの日妹に奪われたプリンを取り返しに行くかな」
そうやって真剣に考えた答えを返した。
「規模ちっさ!」
「ちっちゃくないよ!」
藤矢君はお腹を抱えて笑っている。なんだこいつ。失礼だな。
「いやあ、笑った笑ったw」
「失礼だなお前」
「だってせっかくタイムマシン使えるって言うのにプリン取り返すだけってw」
「だってすっごく楽しみにしてたんだもん!」
お腹を抱えてめっちゃ笑っている藤矢君と口いっぱい膨らまして怒る私。
めっちゃムカついたけど、なんだか嫌な感じはしなかった。
「ってことがあったよね。秋くん」
「いやいつの話だよ!」
「中学の頃だって!」
「そもそも俺さんづけで桜のこと呼んでたっけ?」
「秋くんが私のこと桜って呼んでたら、そこら辺の男子にお前ら付き合ってんの~?って
馬鹿にされたからさんをつけて呼び始めたんじゃん」
「そういえばそんなこともあったな...」
「あれめっちゃ笑われてムカついたんだよね」
「すまんって」
「許す」
「...そういえばさ、今タイムマシンが使えたらなにしたい?」
「う~ん、そうだな~...え~どうしよっかな~」
「真剣に考えなくっていいんだぞ?」
「決めた!この子の成長を見に行くかな、未来に!」
「見にくとしてもどのくらいの時を見に行きたいんだ?」
「中学生になるくらいかな~」
「そしたら後12年後位だな」
「ひゃー長いね~」
「まあ気長に待とうぜ。この子が成長するのを、さ。」
「そうだね。紬ちゃん、起きてるかな?」
「にっこにこだな」
「ご機嫌なの?よかったね~」
「ママがきてご機嫌になったな。紬」
「そうなの?でもパパがいるから嬉しいもんね」
「いやいや、お前がいるからだろ」
「いやいや、パパがいるからですう~」
「「あははっ」」
「どっちもいるからご機嫌ってことにしようか」
「そうだな」
紬ちゃん。私たちの大事な宝物。ちゃんと大きくなるんだよ
「さ~て、そろそろ寝よっか」
「そうだな」
7/22/2023, 10:32:34 AM