カガミ

Open App

「これで本当によかったと思う?」
隣にいる友人が焚き火を見つめながら小さく呟いた。燃え盛る炎は友人の、そして私の生きた証を火種として夜の闇を煌々と照らしている。
「分からないけど…」
ポケットに仕舞われていた友人の手を取りそっと握る。炎に当たっているというのにその手はひどく冷たかった。
「貴方がいるならたとえ間違いだったとしても構わないよ」
なにそれ、と友人は泣きそうな顔で笑った。

4/22/2023, 4:08:03 PM