とある恋人たちの日常。

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 一緒に暮らしてそれなりに経ち、籍を入れた。
 そこから家族が増えると知って、引越しを検討している。
 
 この都市に来た時は独りだった。そこから彼女と出会って、恋に落ちて、愛を育んだ。それが実を結んでお父さんになる。
 
 だから、寂しいけれど引っ越すことにした。
 今住んでいるところから近いところに、ちょうど良い家を見つけたから、仕事へ行く道や遊びに行く道に代わりがない。
 
「お待たせしました!」
 
 いつもの待ち合わせで彼女を待っていると、彼女から声がかかった。
 顔を上げると穏やかな笑顔を俺に見せてくれる。
 
 俺も同じように口角を上げる。と言うか、自然と上がっちゃうよ。君に会えて俺は幸せをたくさん貰ったんだ。
 
 俺が手を差し伸べると、嬉しそうな表情で俺の手を取って歩き出す。
 
 君と歩いた道は、これからもふたりで歩いていく道。
 
 
 
おわり
 
 
 
三八八、君と歩いた道

6/8/2025, 12:59:27 PM