(ねえ、もう用意できた?)
(まだだよ、だって時間はまだあるだろう?)
(そんなこと言ってらんないわよ、もうすぐなんだから)
(それもそうだな、あるにはあるしもう置いておくか)
(ああ良かった、用意がないのかと思ったわ)
(そんなわけないだろう、なんたって明日は特別な日なんだからな)
(それもそうね。ああ、早く明日にならないかしら)
(ドキドキするな)
(奇遇ね、私もよ)
薄らと覚醒した頭で、話し声を認識する。
中身までは理解できないものの、この声は両親だろうか。
小声で何やら囁きあっている。
覚えていたら、明日にでも聞いてみようか。
そんなことを思いながらぼくは眠りにつく。
――ぼくが枕元に置かれた誕生日プレゼントを目にするまで、あと数時間。
「目が覚めるまでに」2024/08/03
8/3/2024, 1:18:15 PM