誰もがみんな、という言葉をよく使ってきた。
例えばお小遣いがもっと欲しいときに、
「誰もがみんなもっとお小遣い貰ってる」
っておねだりするときとか。
でも結局はそんなに人数はいなくて、
「みんなって誰?」
と問われて俯いてしまう。
それに何人あげたところで、
「余所はよそ家はうち」
と言われるのだ。
でも"私は"って言っても説得力はない気がするから。
そうして私はお願いを滅多にしなくなった。
どうせ無理ってそう思ってしまうから。
言えばいいって言われても怖くてしかたがない。
私には説得力のある言葉なんて出せないから。
勝手に期待して勝手に裏切られるだけ。
どうせ駄目だって言うのなら言わせないで。
でもそれが苦しくて惨めだから、
「誰もがみんなそうやって生きていくんでしょ?」
と繰り返し自らに言い聞かせる。
でも誰もがみんなって誰だろう。
私は私以外の人のことを知らない。
だって聞いたことがない。
本当は分かってる。
みんながいないなら作ればいいってことくらい。
話して、聞いて、試して、前例を作っていけばいい。
でも私はやらなかった。
出来なかった。
嗚呼、誰もがみんな持ってる勇気が欲しい。
2/11/2023, 2:37:03 AM