架空体

Open App

【Red,Green, Blue】
赤は、息を呑むような衝動だった。
夕暮れの街角で、君の横顔を見た瞬間に胸を焼いた色。

緑は、息を整えるための停留所だった。
公園のベンチで黙って並ぶとき、やっと平常に戻れる静かな色。

青は、どうにも抗えない夜の深さだった。
画面越しの言葉が遅れて届くたびに、胸の底へ沈んでいく色。

三つの色が重なるとき、私の世界はひとつになる。
光の三原色がそうであるように、
君と私の記憶も、混ざれば白に近づいてしまう。

けれど白は、無であり、すべてでもある。
私がまだ選びきれずにいるのは、
赤に寄るか、緑に留まるか、青に沈むか——
ただそれだけのこと。

そして今日も、信号を渡るたびに、
私は君の色を探している。

9/10/2025, 1:18:53 PM