どこまでも続く青い空
頑張ります、という決意とともにライブ配信は終了。私はいいねボタンを押して視聴を切り上げる。コメントはしない。伝えたいことは山ほどあるけれど、正しく言葉にするには字数が足りない。省略すれば曲解される。それがネットの世界だと思っている。だからいいねで代替する。数千のうちの一つ。どこの誰が押したかなんて、わかりっこない。ファンと推しの関係はいつだって一方的だ。UDPは高速だが信頼性にかけるプロトコルだって、どこかの誰かが言っていた。
いつも別世界のような気がしていた。今日、この国のどこかで夢舞台に立つ人がいる。でもそれはあくまでスマホの中の世界で、私との繋がりに欠けていた。推しの活動は事実に過ぎず、私の中の何かを変えることはない。そういうものだと思っていた。
どこまでも続く青い空を見上げた時、そんな諦観はあっさりと解けた。推しはきっとこの空を見上げるだろうと思った。私と同じ空を見て、夢への一歩に震え、それでも足を踏み出そうとするのだ。それは確かな未来として私の目に映った。
同じ空の下で、戦っている人がいる。そう思うと、体の底からみなぎってくるものがあった。決して一方的な関係なんかじゃない。少なくとも、私たちはこの空で繋がっているのだから。
10/23/2024, 12:19:34 PM