今日も彼女は僕のためにお見舞いに来てくれた。
僕はとても嬉しくて彼女にいっぱい話しかけようとした。彼女はニコッと微笑んでくれた。あぁ
幸せ。彼女が楽しそうにしていれば僕は幸せだった
デートはあんまり欲しいもの買ってあげられなかったし、美味しいご飯は食べさせてあげれなかった。
それでも彼女はいいよいいよと、笑顔でいてくれる
彼女は優しすぎるから自分が元気なくなっても、
笑顔で隠してしまう。そんな彼女のこれからが心配だ。デートはもう当分できないし、彼女を待たせることはわかっている、。それが悔しくて早く退院したかった。そんなことを思いながら、寝ていると、
今日は珍しく家族も来た。久しぶりに会った家族。
僕はなんだか嬉しくなって、いっぱい喋ろうとした
が、家族たちはどこが悲しげな表情を浮かべている
うっすらとしか見えないが、それでも分かる。
何があったんだろう、、
気づいたら彼女も泣きじゃくっていた。それは一瞬しか見えなくてもう、あたりはほぼ見えない。
ふと、手に、誰かの手が触れる感触がした。誰か分からない。けどとても温かい。なんだか安心する。
あぁ
うっすら自分でもわかっていた、自分がもうダメだと
僕は癌にかかっている。そしてもう自分がダメだということが自分でも分かる。
だからみんな来てくれなのか、
最後に彼女に僕の想いと、とびきりのプレゼントをあげたかったな......
時を告げる
9/6/2023, 11:21:16 AM