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ずっとこのまま

これはきっと夢
頭ではそうわかっていても、
神様は意地悪だから
簡単には目を覚まさせてくれない
あの事故から1年。
未だに、恐怖が抜けないことが多い。
ふとした瞬間、あの日の光景が目に浮かんで、
ストレスが溜まると、あの日の光景を夢に見て。
神様は俺を助けてくれたから、
その大きな代償で、こんなにも辛い日々をくれたのかな、
れんが居なくなる夢
あの日、助けてくれて
ずっと傍にいてくれてる俺の恋人が
俺を置いて、どこかに行ってしまう
何度呼び掛けても、手を掴んでも、離れていってしまう。
「…れんっ、!」
そう呼ぶ自分の声で目が覚めた
涙も流れて、俺の心はきっと限界なはずなのに
辛くて、怖くて。
れんには何も言えない。
隣には、温もりなんてなくて
もう夜中の2時なのに、れんは帰ってこない。
そう思った時、ガチャ、とドアが開く音。
足音が近付いて俺の前で止まる
『かいと?遅なってごめんな。』
そういって、ぎゅっと抱き締めてくれた。
『…かいと、俺はずっとここにおるよ。
おらんくならんし、ずっと傍におる。
やから、どんなに怖い夢見ても、心配せんでもええんやで?』
「…っ、なんで、ばれてんの、」
涙も拭いた、笑顔だったのに、なんでばれるの、
『…やって、かいとの恋人やもん。
こんな大事なこと気付けんかったら、俺恋人失格やん』
一言一言に溶かされてゆく強張った心
もう、無理なんてしなくたっていいのかな。
『かいと?辛くて、不安でも俺がずっと傍におる。
今の不安も、これからの不安も、
一緒に乗り越えて、幸せに変えていこう?』
「…うん、ありがとう、れん。」

神様は、俺にいじわるをするけどさ
こんな愛おしい日常が待ってるなんて、知らなかった。
ずっとこのまま、


この幸せが続きますように。

1/12/2024, 3:27:01 PM