心の健康(番外編)⑱の続き
誇らしさ(番外編)⑲
●シズクちゃんのはじめてのおつかい
灰色猫ことハイネは、人型になって
耳と尻尾を出しながら料理をしていました。
ハイネの飼い主シズクちゃんの為に
お昼ご飯を作っているハイネ
(何か飼い猫と言うより給仕係みたいに
なってる....)とそう思うのだがハイネは、
考えないように料理を続け
冷蔵庫を開けると(あ....しまった)
卵が無い 今日のお昼ご飯は
オムライスを作っていたハイネ
(どうすっかなあ.....)一瞬考え
チキンライスに変更しようか
そう考えていた時....
「ハイネ 私もお手伝いしたい!」と
シズクちゃんがハイネの元に駆けてきます
「あ~じゃあ買い物に行って来るから
留守番....」とハイネが言い掛けた時
シズクちゃんが「買い物のお手伝いしたい」と名乗りを上げます。
「いや....でも....」ハイネは、一瞬断りますがシズクちゃんの瞳の中に
『お手伝いしたい』と書いてあり断りづらくなったハイネはため息を付いてシズクちゃんに言い聞かせます
その① 卵は、此処から歩いて五分位の
近くのお店で買う事
その②一番小さい卵パックを買う事
その③何かあったら近くの人に助けを
呼ぶ事 その際優しい人を選ぶ事
怪しい人には付いていかない事
この三つをシズクちゃんに約束させました
シズクちゃんは「うん!」と素直に
頷いて出掛けていきました。
ハイネは、(まぁ卵だけだし.... 歩いて
五分位の店だし.... 大丈夫か....)
ハイネは、付いて行くのも過保護かなあと
思いシズクちゃんに任せる事にしました。
一方お手伝い出来てウキウキの
シズクちゃんは.....
「卵!!卵!! あれ?」シズクちゃんが目を
向けるといつも一つしかないお店が
今日は、隣同士くっ付いて2軒並んでいました。
「? ?どっちのお店で買うんだっけ?」
ハイネからは、どっちのお店で買うか言われていませんしかもどっちも外観も
デザインもそっくり同じで
シズクちゃんは、迷ってしまいます。
すると....「お嬢さん お嬢さん!」と
右側のお店の店主がシズクちゃんに
声を掛けました。
「何かお探しかい?」店主は、にっこりと
シズクちゃんに声を掛けます。
「はい あの卵は、ありますか?」
「卵なら此処にあるよ!」と店主が
机の上に卵を載せます。
しかしシズクちゃんは、それを見て
目を丸くします。
その卵は、普通の卵より一回り大きく
シズクちゃんが両手で持ってやっと運べる
位の大きさでした。
シズクちゃんは、ハイネに言われた事を
思い出し店主に聞いてみます。
「あの一番小さい卵は、ありますか?」
「この卵が家の店では、一番小さい卵だよ」と店主は、シズクちゃんに教えます
シズクちゃんは(そうなんだあ....)店主が言うのならそうなのだろう
シズクちゃんは、「これでお金足りますか?」と店主にお金を差しだします
店主は、にっこりと「ありがとうございました」とシズクちゃんからお金を受け取り
ます。
シズクちゃんは、(うんしょ うんしょ)と
両手で卵を落とさない様に運び家路に帰りました。
こうして買い物と言うお手伝いをやり遂げたシズクちゃんは、誇らしくなり
ハイネに褒めて欲しくて
元気良く「ただいま!」と言いました。
想定外の大きさの卵を買ってきた
シズクちゃんに(たった10分の間に何が
あった....)とハイネは、目を白黒させましたが嬉しそうなシズクちゃんを追及出来ず
そのまま心中で(はぁ~)とため息を吐き
(まぁ夕ご飯も卵料理を食べれば良いかぁ
しかしこの卵どうやって割ろう...)
ハイネが卵の割り方に頭を悩ませる
事態があったりもしたが....
何とかオムライスが完成し二人で仲良く
食べたのだった。
(おしまい)
8/16/2024, 11:33:58 AM