パーティ全滅勇者

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長年勤めていた介護施設の退職日

いつも私の顔を見ると喜んで手を振ってくれたおばあちゃん

綺麗な瞳に目尻には優しさの溢れた皺が刻まれている

いつも私の手を取り、「あなたは素敵な子。この世の宝」と頬ずりをしてくれた

いつも私に愛と温もりをくれた

退職日、彼女に辞めると伝えた

彼女は寂しそうに振り絞った笑顔で「また会おうね。サヨナラなんて寂しすぎるから」と言ってくれた

「うん。もちろん。また会おう」私は涙をこらえてささやかな約束を彼女と交わした

2人とも分かっていた。「また」がないことを

でもその約束に縋りたいほど、私たちは思い合っていた

11/14/2025, 1:56:18 PM