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子供の頃は、二十歳を超えたらちゃんと大人になれるのだと思っていた。
おかしい話だけれど、ポケットの中の彼らのように、進化できると思っていたのだ。

だって、大人になるってそういうことでしょう?
お酒が、タバコが、選挙権が。
出来ることが増えるというのは、やっぱり凄いことだったのだ。

おやつ一つ買うのに親の許可がいるのも、
門限があるのも、まだ進化していないから。
必殺技「よふかし」ができないのも、やっぱりそう。

いまだに夢を見るように、物心のつかないまま生きてきたが、進化の時はいつになっても訪れなかった。
これは世紀の大発見なのだが、レベルが上がったら技が覚えられるわけじゃなかったのだ!

なんて、「みてみぬふり」ばかりしているから、こんなことになっているのだろうけれど。

閑話休題。

ともかく、私の人生に進化はなくて、残念ながら才能も、物事を楽しめる胆力もなかった。
それでも、働いているからにはなんとかやっていかないといけないのも事実で、やる気と「こんじょう」で無理やりカバーするほかなし。

最後の技は何を覚えるべきだろうか。
最後のひとわくをどうすればいいのかわからないまま、今日も「やりすごす」をしてばかりいる。

6/23/2024, 11:59:52 PM