"帽子かぶって"
以前、近くの空き地にタンポポの群生地があり、
時期になると一斉に綿帽子をかぶって揺れていた。
強い風が吹くと空高く舞い上がって、ふわりふわりと流れていく。
どこまでも流れていく綿帽子を目で追っていると、
青空は手を伸ばしたら届きそうなほど近く、遥か彼方まで広がっている気がした。
あの空き地は、今はもうない。
丁寧に整地され、黒いアスファルト舗装を施された後、白いフェンスで囲われた駐車場になった。
便利で綺麗になったと多くの人は喜んでいたけど、
ほんの少し、空が遠く、狭くなった気がした。
1/28/2025, 2:43:16 PM