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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第九話」

肌の色はベージュ色、目の色は焦げ茶色、茶髪のてっぺんに大きなお団子のポップ系のファッションを着た元気なギャルっぽい女子高生の志那は、帰り道を急いでいた。
「すっかり遅くなったー!零也の所に居すぎたかな…?」
志那は、この日もレンタルオフィス街に行っていた。
「零也に好きな人が出来たらどうしよう…私でありますように!」
突然、志那のスマホの着信音がなった。
「誰からだろう…?」
志那はスマホのアプリを開いた。
「え…?!私の顔写真や住所や電話番号が広まっている?!」
SNSには、「カインドに近づく女」と言うタイトルで志那の個人情報が掲載されていた。
「何コレ……?!一体、誰が広めたのよ?」
志那は、コレから面白半分に噂される被写体になってしまう事を恐れた。

「な…何で?私、何か悪い事した?」
志那は、周りの人達で自分に恨みを持つ人間が居るか、頭を巡らせていました。
「うーん、誰か居たかな…?まさか、梨々華じゃ…?でも、別に良いじゃん。零也は、クラスメートなんだからさ。ユーチューバーは憧れの的だけど…」
「そりゃあね。ユーチューバーはみんなの憧れの的」
「みんなの物を独り占めにしようとしたから、ファンに狙われたんだよ」
「だ…誰よ?!」
「我々は饅頭。You Tubeの解説動画ではよく見かける筈だぜ?」
「我々のお陰で、You Tubeが楽しく分かりやすいコンテンツになってるから感謝はすべきだよ」
志那の前に、数多くの顔だけの妖怪の饅頭が現れました。
「あ!知ってる!どっかで見たことあると思ったら、『まったり』じゃん!」
「やったー!我々が有名だと言う証拠だー!」
饅頭達は喜びだして、周りをぐるぐる回りだしました。
「早速だが、一般人がユーチューバーに近づいた罪は重い」
「始末するぞ!」
「え!?何なに…?」
饅頭達は、志那の周りを取り囲みました。

「かかれー!!」
「キャー!助けてー!」
志那は、饅頭に襲われそうになると、突然、零也らしき人物が志那の前に現れて、
「ダークミスト!」
と、唱えると、辺り一面に黒い霧が立ち込めました。
「う……うわああああああ!」
「逃げろォォォォォオオオオ!」
饅頭達は、一目散に逃げて行きました。
「零也……なの?」
「俺はカインドだよ」
ワルっぽい高校生に見える零也は薄いベージュの肌、黒目の隻眼、黒髪に赤のメッシュが入っている、ショートのウルフヘア。中肉中背だけど、痩せ型に近い体型。黒の地雷系ファッションを着ています。カインドは黒のパーカー姿ですが、零也とほぼ同じ特徴です。
「カインド……?どうやって、魔法使ったの?饅頭って?妖怪?」
志那はどう言う事か、一体どうなってるのか、頭が混乱していました。
「後で話すよ」
「魔法使ってる時の零也って、別人みたいでカッコいいな……。改めて、好きになっちゃいそう」
戦っている時のカインドを思い出して、志那は、ドキドキしていました。
「お前は?名前、何?」
「え?私の名前、知らない?斎藤志那だけど」
志那は、カインドの言動に疑問が少し湧きました。
「志那、コレからお前ん家行って良いか?」
「ええっ?!い、いきなり?!」
「安心しろ、俺は霊みたいなモンだから、襲いはしねーぞ」

9/7/2022, 2:24:00 PM