帳の降りた薄暗い箱の中で、あのお方の黄金の瞳が、燃ゆるロウソクの火に当てられていっとう眩しくきらと瞬いた
「もう、お前は、いいです。全く期待外れの退屈な時間でした」と失望の言葉とは裏腹にあのお方はたおやかに微笑んでそう言った
とん……と手袋に包まれた細い指がおれの胸をつつく
おれのたましいだ おれのたましいがふわとおれの胸の上に浮き上がって「まだ終わらせないで」と泣いている
あのお方はおれの哀れなしわくちゃの魂を見てやはり、たおやかに微笑んだ……
「なんだ、お前……魂までつまらないですね」……と
お題「終わらせないで」 おまねむ
11/28/2024, 12:35:32 PM