右を見れば犬の耳を持つ人間が居て、左を見れば尖った耳を持つ人間が居る。上を見たならば箒に乗って悠々と空を飛んでいる。
俺が迷い込んでしまったこの世界ではこの光景が当たり前で、日常で、常識であった。
どうやらこの世界には『魔法』というものがあるらしく、今俺が居る場所も魔法学校だ。人間だけではなく獣の耳や尾を持つ『獣人』に、永い年月を生きる『妖精』まで存在しているらしい。
事実、俺の周りには人間も獣人も妖精も、果ては人魚までもが勢揃いしている。
魔法が使えない俺であるが、紆余曲折を経て相棒と共にこの学園で様々なことを学んでいる。元居た世界とはあらゆるものが違っていて、勉強がとても楽しい。
偉人達も全く知らない人物だし、各人が成した偉業にも非常に興味が湧く。
俺自身が魔法を使えたなら、きっともっと楽しい日々になるのだろうと常々思ってはいるが、結局のところ相棒とマブ共が居れば魔法が使えようが使えまいがどっちだって良いんだ。
お前達が居てくれるだけで俺は無敵になれるのさ!
この世界の空も、星も、花、海、あらゆる自然が、俺の事を受け入れてくれている。最近、なんだかそう感じるようになってきた。
#この世界は
1/15/2024, 2:44:56 PM