国語好き

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「で、そこで言ってやったのよ。あんたみたいな男、こっちから願い下げだって!」
サイコー!と歓声の声が上がり、笑い声が部屋に響き渡る。失恋したばかりの友人、美奈子を元気づけるために計画された一泊二日の旅行は大正解だったみたいだ。ひと月前、夏休み前のテストが終わり解放感から飲みに行ったあの日、美奈子は酒が入り事の顛末を話した。
ー彼が浮気しているかも。
そっけない態度から始まり、彼の手から離れる事のない携帯電話、見覚えのない化粧水の試供品ゴミ。パーマでぱっちり上がったまつ毛を震わせて話す彼女にしんみりとした空気になる。彼に突き止めろだの、そんな奴捨てて次に行けだの好き放題言った後にお調子者の由貴が提案した。
「じゃあさ、旅行行こうよ。男なんて放っておいて女だけで!」
飲みの席の提案は案外日程も計画もすんなりと決まる。じゃあいつものメンバー6人で!と盛り上がり、場所は遠い避暑地、北海道に決まった。レンタカーで広大な土地を巡った後は、借りたコテージでバーベキューという流れだ。
「もう男なんていらない!みんながいればいいんだよ!」
興奮して声を上げる沙代の手には3本目のチューハイが握られている。
「男なんていた事ないでしょ」
すかさず肉を焼いていた里香が突っ込みまた笑い声が上がる。
単位を取るのが難しい、と言われていた必修科目は皆んなで過去問を貰ったり、休んだ授業の内容を教え合ったりして乗り越えた。出身地も性格も趣味もバラバラなこの6人が仲良くなってこうして遊んでいるのはなんだか不思議だ。感慨深い思いでみんなの顔を見渡す。
「ねぇ、写真撮るからこっち〜」
前髪を整えながら舞花がスマホを構えた。
「はい、チーズ!」
ああ、ずっとこのまま時が止まったらいいのに。

1/12/2026, 3:32:25 PM