目の前に、モヤモヤした生物がいた。
悪魔? それとも妖怪?
事の発端は、古書店で見つけた怪しげな古書だった。
たどたどしく文字を調べながら声に出して読み上げたら、このモヤモヤがいつのまにか目の前にいたという訳だ。
モヤモヤは僕の心に語りかけた。
(きみは何を望む?)
僕は......僕は、ためらいながら、好きな子への想いを叶えたいと答えた。
(契約成立だ)
モヤモヤは僕の両目をえぐり出した。
僕は失明した。白杖にすがる日々が始まった。
そして僕の思い人は、いつしか僕の介護士になっていたんだ。
今の僕は、目は見えないけれど、幸せだ。
【見えない未来へ】
11/20/2025, 10:56:49 AM