付き合って6年。初めての高級レストラン。
どこか覚悟したようなあなたの目。
私はプロポーズされるのだろうと悟った。
料理も終盤。
あなたが席を立ち、私の横で片膝をつく。
柄にもなく様になっているその姿。
緊張がこっちにまで伝わってくる表情。
堅苦しい口調と、指輪を差し出し震える腕。
「この世の誰よりも幸せにする。」
キザな台詞を言うものだと、思わず笑ってしまった。
だけどそれ以上に、信じられないくらい嬉しかった。
幸せにするだなんて、大層なことを口にしないで。
あなたはただ、私の手を離さなければいいのよ。
そう言い指輪を嵌めると、
あなたは嬉しそうに微笑み頷いた。
一目惚れしたあなたの笑顔と重なった。
3/31/2024, 11:40:01 AM