最初から分かってはいた。
あ、この人僕のこと好きなわけじゃない、って。
でも、それでもあなたのとなりにいられるならそれでよかった。
虚像でもよかった。
なのに、最近はあなたのとなりにいるとくるしくなる。
吐いても吐いても醜い感情が喉の奥から止めどなくて。
付き合っているのに、僕の片恋。一方的。
吐き出したすきはやっぱり僕を苦しめる。
「…今日は、ありがとうございました」
小さく頭をさげた。
「…いーえ」
やっぱり返事は冷たくてなんの温度も感じられなくて。
ささくれ立つ心がくるしい。
久しぶりに連絡を入れた昨日のこと。
適当にデート…デートもどきをして、別れ際。
「今までごめんなさい」
恋人という名で縛っていて、ごめんなさい。
自分勝手で、ごめんなさい。
「…別れましょう」
ぐっと唇を噛んで下を向く。
油断すると溢れてしまいそうだった。
「…なんで」
「っ、な、なんでって……」
いやだ。やめて。
いつもみたいに、あそ、とか、ぜんぜん分かってなさそうな分かったでいいんだよ。
心が抉るようにつらくなる。
「もう、さすがに無理かなって…やっぱり両方が釣り合ってないとだめ、みたい」
「…あそ」
「っ、」
突き放されたら突き放されたで、苦しくなって。
…ああもういやになる。どこまでも自分勝手。
─すれ違い─ #99
(昨日投稿したと思ったらできてなくて、書いたやつなくなってるし、やっと満足のいくもの書けたのにぃって一瞬で目が覚めました。まあいいか、と思い付いたもうひとつのほう書いときます。
てか連絡した次の日にあってくれてるとこ見逃すなよ、主人公くん。めちゃくちゃ好きじゃあないか)
10/20/2024, 4:25:22 AM