月影 零

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「愛してる、今までも、これからも。」

その言葉が僕を蝕む。僕だって愛してる。ずっとずっと。
-全部、全部遅かったのかな。
素直に好きだと言っていれば、何か変わったのかな。
迷いなく好きだと、愛してると言えば…
君の元に行けるのかな。

『どこにいるの?教えて。』
空虚に向かって問いかける。答える声なんかない。
途端に心を黒い何かが覆う。
まるで水の中で藻掻いてるみたいだ。
思うように息が出来なくて、苦しくて、
会いたい。人目でいいから、君に会いたい。
その想いだけが僕の中にあった。ずっと。
笑顔の裏に、優しさの裏に、僕という存在の中に
君への想いがあって。苦しかったよ。
だんだん僕の世界に色が無くなったんだ。
君の居ないこの世界になんの価値も無いからさ。
でも、彼らはこんな僕の背を撫でてくれた。
受け止めてくれた。赦してくれた。
君に想いを素直に伝えられなかった事、上手く嘘をつけなくて心配と迷惑をかけた事、全部を彼らは赦してくれた。
だから、

-色の無い世界で生きていた昨日までの僕とは
さよならしよう。
そして、こんな僕を救ってくれた人達の手を取って
明日からを生きていこう。

5/23/2023, 8:00:55 AM