鏡
素顔を見るのは嫌いだ。それでもこれを好きになるには、向き合って自分を作り上げるしかなかった。それでも、映し出される顔が丁寧に手を加えていく内に変わっていくのを見るのは気分が良かった。
私は私を好きになりたい。だから、失敗を繰り返しながらもコスメに手を伸ばすんだ。
最後に髪を整えて、ティントリップが綺麗に馴染んだ唇を少し緩める。
――このどうしようもない生活の中で、自分に彩りを加える自由をこれからも楽しもう。
立ち上がり、私はいつものように部屋を出る。今日もまた一日が始まった。
日々家
8/18/2024, 11:24:23 AM