大好きな君に別れの季節。放課のチャイムとともに教室を飛び出した。胸に付いたコサージュも、めくれたスカートも、ぼさぼさになった前髪も、気にならなくて。教室から聞こえる声も、スリッパが廊下を蹴る音も、聞こえなくて。貴方の声だけが私の中で繰り返し再生されて。目から零れる雫は頬を伝うことすら出来ず、心が身体を追い越しそうになる。いつものように桜の木の下で微笑む貴方。無意識のうちに零れ落ちた言葉は、貴方が拾ってくれたみたい。
3/4/2024, 11:22:02 AM