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病室…



父が前立腺癌になったときの話だ。


主治医の先生から手術の説明を受けた。

母と妹と私、女三人が説明を受け父は別室に居た。

おろおろと泣く母を前に先生は淡々と説明を終え

それから言った。


「大丈夫ですよ、ボクは失敗しないので。」


ドクターXのキメ台詞だ。



もちろん、手術にどんな危険があるかわからないのは

理解している。説明も受けた。

けれど、実際に言われたときの安心感は半端なかった。


主治医の先生は、六時間に及ぶ手術を成功させた。

感謝しかない。

まさにドクターXだった。




私はドクターXのドラマは好きでよく観ていた。

しかし、あの手術以降観なくなった。


ドクターXのドラマには、その他の医師も出るからだ。

患者にとって、医師は全員ドクターXでなくてはならない。



そんなことをちょっと思い出した。


…父は今も元気です。




8/3/2024, 9:23:31 AM