痛くて 辛くて
逃げたくて 夢であってほしくて
後悔して 誰かを恨んで
恐ろしくて すがりたくて
泣きたくて 隠れたくて
放っておいてほしくて
そばにいてほしくて
痛みの感覚がだんだん狭くなって
逃げられないと悟って
覚悟を決めて
それでも怖くて 怖くて
夜中だというのに煌々と照らされる室内に
マスクの助産師たちに囲まれて
「大丈夫ですよ!あと少しの辛抱よ!!」
「はいっ!いま!!ちからいれてっ!」
「‥‥おぎゃあ!おぎゃあ!!」
この部屋に存在しなかった命という存在が
たったいま この世にうまれおちた
この世で初めて会う君は
もうずっと前から私とともにいて
この私の臆病なとことか
弱いとことか、情けないとことか
全部知った上で 私に抱かれている。
あぁ まだことばを持たぬ我が子よ
あなたの母親だというのに
ただ涙があふれて
この母も なにも言葉にできない
4/11/2023, 2:11:22 PM