七夕
「はい、じゃあ一人一つずつ願い事書いてー」
担任の先生にそう言われて配られた短冊。
何を書こう
決まらないまま時間だけが過ぎていく。
周りの人達はちらほらでき始めてる。
蝉の忙しない声が、はやくしろ、なんて急かしているようで、でも手に持つシャーペンは一向に動かない。
いよいよ焦ってしまう。
結局願い事らしい願い事が思いつかず、1週間後に控える体育祭について、優勝できますように。
たったの一言。それだけしか書けなかった
_____体育祭の結果は準優勝だった。6ブロック中の2位だから、まぁ上出来。
特に目標もなく、これでいっか、だけで書いた願い事に未練も執着もなかった。
今考えても思う、冷めているな、って
なんだかんだで高校2年になった夏、今度は何を書こう
今度はすぐにシャーペンを持つ手が動いた。
____〇〇大学に合格できますように。____
なんでだろう、あの時あんなにも書けなかったのに今はこんなにすらすら書ける。
もしかして、あの時準優勝だったのが実は悔しかったのかな?(笑)
今度の願い事は、未練を残さないように沢山勉強して、それでいて勉強に執着しよう。
今度は冷めてなんかいない。
2024/7/7
7/7/2024, 12:10:14 PM