「おはよう」
朝、家のドアを開けると仕事から帰って来たらしい5つ年上の隣りの彼と出くわし、にこりと笑って挨拶された。
「…おはよう。そっちはいま帰り?」
「そそ。おにーさんはしっかり労働して今から寝るとこですよー」
黒服にチャリチャリと飾りつけたアクセサリーが鳴る。
「香水臭い。またオンナと同伴?」
何となく気に食わなくて攻撃的な物言いになってしまう。
それでも彼は少し困ったように笑って。
「まぁ。お仕事デスカラネー。子供は気にせず勉強頑張ってらっしゃいな」
ひらひらと手を振ってよこした。
その態度にむかついてその手を咄嗟につかんで引き寄せる。
「だから、子供扱いするなって言ってるだろ」
俺の突然の行動に驚いて一瞬動きが止まった彼だったが、またいつもの余裕たっぷりの笑みを浮かべて
「はいはい。わかったわかった」
掴まれてない方の手で俺の髪を優しく撫でた。
「だから…!!」
咄嗟に頭を引くとともに掴んでた手を離してしまった。
にやにやと余裕たっぷりにこっちを見てるのが憎らしい。
「もういい」
そのまま彼に背を向けて歩いて行こうとすると後ろから名前を呼ばれる。
勢い任せに振り向いて睨みつけると、
「気を付けて行けよー。いってらっしゃい」
なんて俺の好きな笑顔で言われてまたむかついて思いっきり目線を外してそのまま早足で学校へと向かう。
後ろからまた追いかけてくるように声が掛かる。
「寄り道せずに行けよー」
だから!!
子供扱いするなって言ってるだろーが!!!
たかだか5歳の差ぐらいなんだってんだよ!!!
(子供のままで)
5/13/2026, 10:19:42 AM