──それでは、本日の夢予報のお時間です。
……何だ、これは。
休みだからと昼寝をしすぎてしまい、案の定眠れなくなってしまった午前一時。
手持ち無沙汰につけたテレビでは、ニュース番組だろうか。アナウンサーの女性が、聞き慣れない単語を口にする。
夢予報? 天気予報の間違いじゃないのか?
すぐに訂正されると思ったが、画面の女性は笑顔でその、夢予報とやらを続ける。
──今日一番いい夢を見られるのは、おめでとうございます! ……座のあなた! 空を飛んだり、はたまた街を守るスーパーヒーロー! とにかく気持ちのいい夢になるでしょう。
どんなものかと思っていたら、朝の星座占いみたいなものか。興ざめ……というか、この時間帯じゃみんな寝ていて、テレビよりかは、それこそ夢を見ているんじゃ? この番組、やる意味あるのか?
と思いつつも、やはり一度見てしまったからには、自分の星座がどんな夢なのか、気になってしまう。
──ごめんなさい、最下位は……座のあなた。悪夢を見てしまうか、もしくは眠れない夜をすごすでしょう。でも大丈夫! そんなあなたにピッタリのラッキーアイテムは、練炭とガムテープです! それではみなさん、よい一日を迎えてくださいね。
……最下位かよ。いやでも、まさに今眠れていないし、案外当たっているのか、夢予報。いや、夢予報っていうか、夢占い? ラッキーアイテムとか……意味……分からない、し……。
…………あ。
気がつくと、俺はしっかりと布団に入っていて。
なんだ、あの番組自体が夢か。そりゃそうか、夢予報なんて言っておきながら、内容はまるで星座占いなんて、そんな番組あるわけない。しかし、我ながら変な夢だった……。
あれ……。
布団から起き上がり、初めてテレビがつけっぱなしになっていることに気がつく。
ああ、そうか。
ずっとテレビの音声が流れている中寝ていたせいで、あんな夢を見たんだ。
それなら、あの妙な夢を見たことにも納得がいく。
一人笑いながら、テレビを消そうとリモコンを手にした時。
待てよ? 確か、俺は眠れないからテレビをつけたんじゃなかったっけ? その時にはもう、あの番組は始まっていて……?
あれ? あれ?
一体、どこからが現実で、どこまでが夢なんだ?
1/23/2023, 2:01:40 PM