「時計の針が重なって」
「はやく!はやく!」
「まってよぉ〜」
君は僕の手を引いて走っていく。
一体何処へ向かっているのか、僕には分からなかった。
君は振り向きもせずにただ走るから、僕は何も言えないまま君について行った。
「はぁ、はぁ、ねぇついたの?..........え」
突然手の温もりが消えたから、目的地についたのかと顔を上げると、そこには誰も居なかった。
周りは草木が生い茂っており、腐った木で作られている大きな家があった。
まるで初めから僕以外いなかったかのような静けさだった。
「.....ねぇ、■■、どこ?」
答えるものはいない。
ひゅぅ、ひゅぅ、と風の音がなっている。
僕は一気に怖くなり、縫い付けられたかのようにその場を動くことが出来なくなった。
かち、かち
9/24/2025, 1:23:10 PM