墨色の夜。私は社内パソコンへと、目を向けていた。
視線のモニターに、無数の黒文字がかけてゆく。だが何故かふと、コーヒー、蛍光灯、窓、夜、イス、モニター…全域に、全てを見透かされるのでは、などという恐怖心が思考を巡った。優しくさする様沈殿させ、だがそれもまた姿を表し、止まない不安感に支配される。ひたすらに、架空の無と安らぎの取り合い。意識が、内へのものへと変わる。いつか、手に髪が重なり、顔が重なり、目が重なり、湿った、汗に混じる一つの重み。瞳に、雫が滴っていると、その時初めて気がついた。脳が冷却され、手を撫で下ろし、今までの世界をみた。黒文字は、文字ではなかった。
心が真っ黒で。心がとうめいで。
心が、透明で。
お題:心は透明で
5/22/2026, 3:26:44 AM